Switch「鳥類弁護士の事件簿」のレビュー・評価。逆転裁判との違いについて

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Switch「鳥類弁護士の事件簿」のレビュー・評価。逆転裁判との違いについて

逆転裁判にインスパイアされた海外インディーズソフト「鳥類弁護士の事件簿」の日本語版が、2022年12月15日にSwitchより発売されました。

筆者は逆転裁判の大ファンです。
初代ゲームボーイアドバンス時代からプレイし、大逆転裁判を含むシリーズは全制覇&スピンオフである逆転検事やレイトン教授コラボもすべてプレイ済です。
そんな大好きな逆転裁判に似ていると噂のゲーム「鳥類弁護士の事件簿」を購入&クリアしましたのでレポします。

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目次

鳥類弁護士の事件簿とは

ゲーム内容

舞台は1848年、19世紀のフランス・パリ。
七月革命から18年後、再び王政に対する不満がくすぶっている中、弁護士事務所を営む主人公の元に久しぶりの依頼が舞い込む…。

プレイヤーは主人公であるハヤブサの弁護士「ジェイジェイ・ファルコン」となり、相棒である「スパロウソン」君とともに、依頼人の無罪を勝ち取るため裁判までに証拠品を集める。
集めた証拠品で裁判を行い、無事に依頼人の無実を勝ち取れるか…?

逆転裁判のオマージュ?

逆転裁判の海外シリーズ名は『Ace Attorney』、このゲームの海外名称は『Aviary Attorney』。
主人公である成歩堂龍一の海外名は『フェニックス・ライト(不死鳥)』、このゲームの主人公は『ジェイジェイ・ファルコン(ハヤブサ)』。

証拠品を集める「探索パート」、集めた証拠品を使って裁判をする「裁判パート」も存在し、明らかに逆転裁判を意識して作られたゲームと言えます。

逆転裁判との違い

証拠品が揃わなくても裁判へ進む

逆転裁判では、裁判に必要な証拠品は必ず揃った状態で探偵パートを終えていましたが、このゲームでは証拠品が揃わなくても裁判へ進みます。
もちろん証拠品が揃っていない場合は裁判には勝てません。

ゲームオーバーがない

証拠品が揃わず裁判に負けたとしてもゲームオーバーにはなりません。依頼人が有罪もしくは処刑になった状態で物語が進みます。
無罪になった場合でも有罪になった場合でも、その後のストーリーは違和感なく進むので、条件分岐によるテキスト量はものすごく膨大で、かなり作り込まれているのだと思います。

レビュー

プレイ時間は短め

全4章で構成されており、4章だけは3章の結果により4章A・4章B・4章Cという3パターンのストーリーが存在します。
すべてのパターンをプレイした総時間は6時間程度。
インディーズゲームとしてはそんなものかという感じですが、定価3,850円(ダウンロード版3,278円)のゲームとして考えると少々コスパは悪め。

日本語訳が素晴らしい

海外ゲームを日本語化した場合、たいてい『いかにも和訳した文章』が存在します。
しかしこのゲームは最初から日本語のゲームだったかのように、終始違和感なく言葉が入ってきます。
「鳥ック」やら「トリスト教」やらの動物ギャグ(?)も満載なのですが、あまりにも自然なので原文が気になるくらいです。

日本語ローカライズ版の個人的MVPは翻訳家と言っていいくらい素晴らしい。

動物たちの掛け合いが良い

動物ギャグも満載で、それぞれのキャラクターもしっかりしています。
ジェイジェイ・ファルコンは朝からお酒を求めるくらい酒好き、スパロウソン君は依頼人の食事内容が気になるほどの食いしん坊、この二人の掛け合いは特にテンポが良く、ふふっと笑えます。

意外と重いストーリー

第3章~4章にかけて、フランス二月革命が発生します。
ストーリーによっては主要人物が殺害されますし、正義とは何か?を問われる場面も出てきます。
プレイ中の軽妙な掛け合いから一転して、最後は少し重い空気感でエンディングを迎えます。

無駄な行動はNG

裁判までの期日は決められており、基本的に1日1箇所の探索です。
逆転裁判は探偵パート終了時に必要な証拠品はすべて揃いましたが、鳥類弁護士では操作する場所や選択肢を間違えると証拠品が手に入りません。
無駄な行動をすると1日分損しますし、あまり余裕がある日程ではないため、要領よく行動しないと裁判に勝てません。

謎解きは微妙

裁判パートでは証拠品つきつけもありますが、必要な証拠品が揃っていれば悩む事はありません。
逆に揃っていない場合に正解がわからないため、無駄に悩む事になります。

インスパイア作品とはいえ、さすがに「異議あり!」は使えなかったのか、そのあたりの爽快感もありません。

風刺画の絵は少々見づらい

風刺画的なイラストはフルカラーではないため、探偵パートの調べる場面で血溜まりや証拠品が少々見つけづらいです。
とはいえ、操作ポイントにカーソルが近づけば探索は出来るので、慣れれば問題はありません。

メダルが回収できなくなるバグあり

このゲーム内には「メダル」というシステムがあり、特定の条件を満たすと取得できます。PSシリーズでいうトロフィーのようなものです。
第3章で銅鍋と糸を集めるイベントが発生しますが、ここを周回プレイしているとギャラリー内が調べられなくなるバグがあり、このせいでメダルが1つ取得出来なくなります。

すべての事象が明かされるわけではない

一部ネタバレになってしましますが、ファルコンには「名前を変えた過去」があります。その理由がイマイチはっきりしません。
私が見落としていたならば申し訳ないのですが、名家と言われた家系から逃れるためというのはわかりますが、それまでの伏線やら動機やらの描写が弱く、その過去必要?と思ってしまいます。

総評

私が逆転裁判を好きなポイントは、主に裁判パートにあります。
逆転につぐ逆転でハラハラドキドキはもちろん、証拠品ピースのハマッた時の爽快感がたまらなくスッキリします。

逆に鳥類弁護士の事件簿は裁判パートの爽快感があまりありません。
ゲームとしての完成度は比較的高いのですが、逆転裁判を求めてしまうと少々物足りなさが残ります。
私が逆転裁判を求めてしまったため、こちらのレビューとさせていただきます。

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鳥類弁護士の事件簿
総合評価
( 3.5 )
メリット
  • ちょっとしたスキマ時間にプレイ出来る
  • 日本語訳が素晴らしい
  • 動物ギャグが秀逸
デメリット
  • 裁判パートの爽快感は無し
  • プレイ時間が短い
  • メダル回収不可になるバグあり
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